不動産評価

不動産取引における評価は、固定資産税評価額や実勢価格から算出される査定評価、利回り、担保評価など、資産性から見た土地と建物の評価が一般的であり、地域コミュニティや生態系との関係性については、可視化されていない場合も多いのではないでしょうか。

一方で環境建築に関する関心は高まっており、建築物や都市などに係わる環境性能を総合的に評価するツールとして、CASBEEやLEEDなどの環境認証制度の認証取得件数は年々増加しています。また、環境共生型の未来に向けたフレームワークLiving Building Challengeもアメリカを中心に広まっています。

生命建築プロジェクトでは、生態系やコミュニティの観点を含んだ不動産評価を策定することで、資産性だけでなく、生命性に基づいた不動産取引の拡大を目指しています。

CASBEE、LEED、Living Building Challengeなどの環境認証制度について

総合的な環境性能を評価する制度として、日本ではCASBEE、世界的にはLEEDなどの認証制度が普及しており、エネルギー性能・水資源・資材・室内外の環境などの項目について評価しています。さらには、利用者の健康や快適性にも着目したCASBEE-ウェルネスオフィスやWELL、建築環境における持続可能性の先進的な尺度であるLiving Building Challengeなどの認証制度も広まっています。

評価項目CASBEELEEDWELLLiving Building Challenge
環境負荷エネルギー
水資源
資材
敷地環境
環境品質室内環境(音、温熱、光、空気)
機能性・公平性
安全性・耐用性
維持管理・革新性
景観・地域性
健康・幸福ウェルネス・メンタルヘルス
ウェルネスオフィス
コミュニティ形成
美しさ・アート性

生命的な観点から考える不動産評価

生命性に基づいた不動産取引の指標となる評価基準として、「リジェネラティブ建築」・「ウェルビーイング空間」・「地域コミュニティ」の3つの観点から定義・検証していきます。

リジェネラティブ建築
  • 生態系に配慮した建築設計
  • サスティナブルな建築資材
  • 省エネ性能、ネットポジティブ建築
ウェルビーイング空間
  • 心身の健康や幸福に配慮した室内環境
  • バイオフィリア・自然へのアクセス
  • 日本古来の思想をベースにした霊性空間
地域コミュニティ
  • コミュニティ形成
  • インクルーシブ性